No.33(2020) p.96-103
特集Ⅱ第42回未来医学研究会大会
IoT活用によるウェアラブル医療機器の新たな可能性
旭化成メディカル株式会社 島田 智子
ワイヤレス通信機能を備えた医療機器を用いた医療IoT では、機器の動作状況だけでなく、患者の健康に関するデータの収集が可能であることから、それらの複合的データの活用により遠隔診断・治療など医療ケアの効率化や患者の負担軽減につながることが期待されている。旭化成グループZOLL 社にて開発・販売しているウェアラブル除細動器もBluetooth および携帯電話回線によるワイヤレス機能を有しており、在宅にて本品を使用している患者の種々の情報(心電図、着用状態、心拍や体位、活動量など)を担当医師が遠隔でモニタリングすることを可能としている。さらに最近ではウェアラブルという特徴を生かした新たな機能として、本機器を介して患者に健康状態に関する質問に定期的に答えてもらうヒアリング機能も追加し、そのデータ活用による可能性はさらに高まっていると考えている。本稿では、このウェアラブル除細動器の遠隔モニタリングの開発経験や欧米および本邦での使用例などをもとに、IoT活用によるウェアラブル医療機器の新たな可能性とその課題を一緒に考えてみたい。
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