No.33(2020) p.56-66
特集Ⅱ第42回未来医学研究会大会
腸管ベルトを用いた未来型人工肛門の提案
ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社 本田 健
直腸がん患者においては、肛門切除と人工肛門(ストーマ)の増設が治療として行われる場合があるが、ストーマのケアなどには不便も多くQOLの低下が課題である。一方、腹腔鏡手術等の進歩により肛門の温存率は向上しているが、局所再発や便失禁などの合併症リスクもあり、機能温存とのトレードオフの議論が続いている。本稿では、上記の背景を踏まえ、パウチフリー型人工肛門の提案を行う。本人工肛門は、腸管ベルトと人工肛門括約筋からなり、体外に便を貯留するためのパウチを持たないことが特徴である。腸管ベルトは便の流路としての腸管を狭める機能を有し、これにより便の性状の安定化、貯留の容易化を図ることで腸管の機能的再建を実現する。
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