No.32(2019) p.46-52
特集Ⅱ第41回未来医学研究会大会
細胞シートによる中耳粘膜再生治療の実現
山本 和央
中耳真珠腫や癒着性中耳炎術後の露出した骨面上に早期に粘膜が再生されれば、術後鼓膜の再癒着や再形成性真珠腫の予防が可能と考え、我々は中耳粘膜の再生を目的に研究を行っている。現在、温度応答性培養皿を用いて自己の鼻腔粘膜上皮細胞シートを作製し、中耳の粘膜欠損部へ移植し術後の中耳粘膜を再生させる世界初の治療法を開発し、現在、多施設共同ヒト臨床研究を実施している。将来的に医師主導治験を想定し協力企業とともに準備を進めており、新たな中耳手術における粘膜再生治療としての確立を目指している。
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