No.32(2019)
機関誌「未来医学」の完全電子化について
小林 純
これまで機関誌「未来医学」は会員諸氏の皆様へ、都度印刷版を郵送配布してまいりましたが、今後は完全電子化することが昨年5月26日の理事会および社員総会にて決定しました。これを受けて、編集委員会では完全電子化のためのウェブ基盤整備を行って参りました。そして今回発刊の32号から紙媒体でのご提供を廃止し、電子化したものをオンラインで配布する運びとなりました。ここでは、完全電子化に至った経緯とその新たな機能の概要をご説明させていただきます。

1. 研究会の安定的な運営を考慮した判断
本研究会では全ての会員の皆様に印刷版の機関紙を発刊し配布して参りましたが、電子化が進む昨今、こうしたサービス経費を今後も負担していくことが理事会において議論となりました。会費を納入していただいているアクティブな会員数を増やしていくのと同時に、会員の皆様に提供するサービスの質を維持しつつ経費削減することが求められております。そこで、機関誌「未来医学」を完全電子化し、紙媒体の印刷及び配送費用をゼロにしつつ編集企画に係る予算は維持することを決定しました。完全電子化のための初期投資はかかりましたが、最終年となる柳原操再生医療研究寄附金から約130万円の助成支援を得られたことから、本研究会としては、完全電子化に向けた基盤整備を遅滞なく実行すべきであると判断しました。

2. 会員の皆様の利便性
今後、電子化された機関誌「未来医学」は、本研究会ウェブサーバーにてPDF形式で提供致します。会員の皆様は、別途電子メールにて受け取ったID、パスワードを入力することで、随時記事を閲覧、ダウンロードすることができます。完全電子化のメリットは、省スペース化されること、バックナンバーがアーカイブされている場合は随時閲覧できることです。現状、機関誌「未来医学」バックナンバーは公開されておりませんが、この点につきましては、今後の理事会および編集委員会にて前向きに検討し、随時実施して参ります。また、オンライン化の特徴として、動画や音声等のコンテンツを配信することができます。実際、動画や音声が配信できるようウェブページも設計されております。将来的には、座談会やセミナーなどの配信も検討いたします。なお、完全電子化に伴う懸念は、PCやタブレット等の画面上で閲覧することに抵抗を感じる方もおられるかもしれない点です。ただし、国際的な英文雑誌等ではほぼ完全電子化されており、国内学会誌も次第に電子化が普及しつつありますので、是非ご理解いただけますと幸いです。

3. ウェブ検索エンジンへの対応
未知の新しい情報を求めるときに、グーグルをはじめとするウェブ検索エンジンを利用することはごく当たり前に行われていることと思います。これまでの機関誌「未来医学」は電子化されていなかったため、ウェブ検索エンジンに引っかからず、せっかく執筆いただいた記事が多くの方々に読まれづらい状況にありました。そこで、記事の一部あるいは要旨を公開します。このことにより、より多くの方々の目に触れて、ひいては未来医学研究会の活動が広く認知されていくことが期待されます。今後も会員の皆様からのフィードバックを頂戴し、よりよいものに変革してまいりたい所存です。何かご意見等がございましたら、小林または未来医学研究会事務局までご連絡くださいますようお願い致します。