No.32(2019) p.20-21
特集Ⅱ第41回未来医学研究会大会
再生医療のサプライチェーン─診断から治療まで─
わが国における再生医療の現状を鑑みると、関連研究分野では世界をリードしているものの、実用化・産業化という点においてはいまだ途上であると言わざるを得ない。2013年11月、薬事法の改正により医薬品医療機器等法が成立し、新たに『再生医療等製品』というカテゴリーで条件及び期限付き承認制度が始まった。また再生医療等安全性確保法によって、企業等が細胞培養加工受託を行える環境が整った。その結果、世界で初めてiPS細胞を用いた移植手術が行われるなど、わが国が本気で再生医療の実用化に取り組むことを内外に示した。このような経緯をふまえ、今回の大会テーマを「再生医療のサプライチェーン」とし、再生医療を発展させる産学官連携のみならず、企業それぞれの強みを生かした連携をいかに構築すべきか、議論する機会を企画した。