拠点形成の目的

本申請では、医工連携・産学連携を強力に推進し次世代先端医療を実践する臨床家と今後ますます重要性が高まることが明らかである医療産業の発展を担う研究者の養成をおこなう教育研究拠点の形成を行います。

具体的には、対症療法中心の従来型の薬物治療や、ガン治療に代表される切除中心の外科的治療の限界を大きく超えて根治治療を可能にすると期待されている再生医療に代表される次世代先端医療の研究と実践を遂行できる人材の育成を可能にする集学的教育研究拠点の形成を目指します。 21世紀COEプログラムで採択され、高い評価を得ることができた「再生医学研究センター」をさらに発展させる形で拠点形成に臨みます。
10年後の最先端医療として、

    1. 再生医療
    2. 免疫寛容をともなう移植医療
    3. 遺伝子医療

の3つが中核的な役割を果たすものと考え、これらに代表される最先端医療に従事しうる人材の育成に取り組みます。

再生医療については、すでに本学先端生命医科学研究所が開発した温度応答性培養皿を活用して作製する培養細胞シートの移植による皮膚(重度熱傷、瘢痕治療)、角膜(上皮幹細胞疲弊症)、心臓(拡張型心筋症)、食道(内視鏡的粘膜上皮ガン切除後の食道狭窄)において臨床応用に成功し、さらに歯根膜、肺、肝臓等で臨床研究を準備中ですが、10年後を見据え、免疫寛容や遺伝子治療と組み合わせた次世代再生医療の実現を目指します。このような研究開発には、医学のみならず、分子生物学、幹細胞生物学、バイオマテリアル、各種薬学、バイオリアクター開発などの応用化学、生命倫理学、レギュラトリーサイエンスといった広範な学問領域を束ねる集学的な研究開発を実践できる新しい人材が必要です。
このような人材の育成には、理工薬学系研究者と医学系研究者が一つ屋根の下でお互いの文化や言語の壁を乗り越えて共通の目的に邁進する場の提供と、座学や実習だけではなく実際の具体的かつ集学的な研究活動が必須です。さらには、大規模多施設臨床研究を立案し運営できる医師を育成したいと考えています。

Nature、Science、Cellなどの基礎系一流誌への論文掲載数では欧米と互角であると評価される一方、New England Journal of Medicine, Lancet, JAMAといった臨床系一流誌への論文掲載数では欧米に大きく遅れをとっているというのが日本の医学系研究の現状ですが、我が国が達成した世界レベルの基礎医学研究をさらに発展させ、国民の健康増進と医療産業の育成に貢献したいと考えています。