株式会社 セルシード

日本発・世界初の「細胞シート再生医療」の世界普及を目指す

 セルシードは、2001年に設立された東京女子医科大学発の再生医療企業です。日本発・世界初の再生医療プラットフォーム技術である「細胞シート工学」を基盤技術とし、細胞シート工学を用いて組織や臓器を再生することによって様々な難治性疾患・損傷を治療する「細胞シート再生医療」の事業化・世界普及を目指しております。

 細胞シート工学は、東京女子医科大学の岡野光夫教授らが世界に先駆けて開発した「温度応答性細胞培養器材」で細胞からシート状の組織(「細胞シート」)を培養し無侵襲に回収するという革新的な技術です。この技術によって作製される細胞シートは、接着タンパク質を失わずに保持しているため移植時に縫合なしで患部に生着し、また幹細胞を多く含んでいることから効率良くかつ継続的に患部組織の再生を促すなど、再生医療医薬品として多くの特長を有しています。当社は、この細胞シート工学を基盤とした2種類の事業を推進しております。

 1つは「細胞シート再生医療事業」であり、細胞シート工学に基づいて作製された様々な種類の再生組織・臓器(細胞シート)を安全かつ高品質な医薬品(「細胞シート再生医療医薬品」)として世界中の医療現場及び患者さまにお届けすることを主な目的としております。現在当社が当事業において研究開発を進めている主な細胞シート再生医療医薬品パイプラインは、角膜再生上皮シート、食道再生上皮シート、歯周組織再生シートなど合計5つです。このうち角膜再生上皮シートについては、これまでにフランスにおける治験の実施や欧州における販売承認申請の提出などを行ってきており、欧州を皮切りに日本、米国及び世界各国に展開することを目指しています。また当社は、細胞シート再生医療企業として、CSTECの再生医療研究成果を事業化して多くの患者さまに橋渡しする役割の一翼を担っており、多面的にCSTEC での再生医療研究開発活動に参画しております。

 もう1つの事業は「再生医療支援事業」であり、その中心製品は細胞シート工学のキーツールである「細胞シート回収用温度応答性細胞培養器材UpCell」やその応用製品である「細胞回収用温度応答性細胞培養器材RepCell」、「超低付着性細胞培養器材HydroCell」などです。現在、世界で当社のみが温度応答性細胞培養器材を商業レベルで製造・販売しており、これらの製品の供給を通じて世界各国における再生医療研究開発活動を支援しております。また当社は、CSTECにおける温度応答性細胞培養器材の新しい量産化技術に関する共同研究開発活動に参画しております。

 セルシードはCSTEC 発足以来その活動に参画してまいりましたが、「細胞シート再生医療の世界普及」という目標の達成を目指して今後も積極的にCSTECでの研究開発活動を推進する所存です。